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食べてすぐに歯磨きをしてはいけない?

2019年12月23日(月)

食べてすぐに歯磨きをしてはいけない。

と聞いたことがあるのですが、本当ですか?

 

子育て中のお父さん・お母さんから、

よく質問していただきます。

 

結論から言います。

 

お子さんが晩御飯を食べた後、

すぐに磨いてもらっても、

大丈夫です。

 

食べてすぐに歯磨きをしてはいけない

という情報は、

どこから広まったかご存知ですか?

 

実は、

この考え方が世間に大きく広まったのは、

人気テレビ番組「ためしてガッテン」

のテーマに取り上げられたからです。

 

その放送のテーマは、

高齢者の知覚過敏予防でした。

 

そうです。

ターゲットはあくまで

この番組の主な視聴者である年配の方々でした。

 

簡単に言うと、

年配の方で歯ぐき(歯肉)が下がっている人は

食後すぐに歯磨きすると、

歯の根元(歯根)が削れて知覚過敏になりやすいですよ。

という内容でした。

 

しかし、

この番組を見ていた多くの視聴者にとって

「食後すぐに歯磨してはいけない」

という内容のインパクトが強すぎて、

大切な「対象となる人たち」の情報が抜けてしまい、

食べてすぐに歯磨きしてはいけない

という部分だけが一人歩きしてしまったようです。

 

その結果、

子どもたちも、

食後すぐに歯磨きしてはいけないような

間違った考えが広まってしまいました。

 

歯は歯ぐき(歯肉)から出て、口の中で見えている頭の部分(歯冠)と、

歯肉と骨の中に埋まっている根っこの部分(歯根)に分かれています。

頭の部分(歯冠)は人体で最も硬いエナメル質という歯の鎧に守られています。

熱々のラーメンや冷たいアイスクリーム、酸っぱい果物を食べたり飲んだりすると、その温度や酸といった様々な刺激が歯に加わります。

歯の中の神経(歯髄)は、歯に対する刺激のすべてを「痛い」として認識するようにできています。通常は、歯の神経まで刺激が届かないように、エナメル質という硬い鎧が守ってくれているので、痛むことなく食事を楽しむことができているのです。

しかし、本来なら歯ぐきに守られているはずの根っこの部分(歯根)にはエナメル質はなく、セメント質と呼ばれる非常に柔らかい部分しかありません。

だから、

歯周病や加齢など様々な原因によって

歯を支える大切な骨や歯肉が下がり、

歯根の一部が歯肉から露出している人は

柔らかい部分がむき出しになり、刺激に弱い状態になります。

 

では、なぜ歯根が露出しても

冷たいものや温かいものが、

しみる場合と、そうでない場合があるのでしょうか?

 

それは、唾液という分泌液のおかげなのです。

唾液は1日に1〜1、5リットルも分泌され、

私たちの気がつかないところで、

様々な活躍をしてくれています。

その中のひとつによって、

私たちの口の中は、

一日中ほぼ中性に保たれています。

 

食べたり飲んだりすると口の中は、

その度に酸性になります。

当然、あらゆるものを溶かす酸ですから

口の中が酸性になると、

歯の成分は溶け始めます。

 

これを唾液のチカラによって

約40分程度かけて、

ゆっくりと口の中を中性に戻します。

 

食後、お口の中が酸性に傾いている間は

歯が溶けやすいので、

この状態で一生懸命、歯を磨いてしまうと、

歯根が削れてしまうのです。

その結果、刺激が神経まで伝わりやすくなり、

歯がシミやすくなってしまうのです(知覚過敏)。

だから、食後はしばらく待って、

唾液のチカラで

お口の中が中性に戻ってから歯磨きしましょう。

というのが、

このメッセージの本当です。

 

子どもの歯磨きは、ただでさえ大変です。

晩御飯の後、

40分も待っている間に、

眠くなってしまったら

もう大変です!

 

だから、

眠くなる前に、

遊び出す前に、

ささっと磨いてあげてください。

仕上げ磨きは、

子育ての中でも大変なもののひとつですが、

とても大切なもののひとつでもあります。

毎日の仕上げ磨きと定期検診で

大切な未来あるお子さんたちに、

健康な歯をプレゼントしてあげましょう!

 

仕上げ磨きの時に気をつけて頂きたいこともあるのですが、

それはまた、別の機会にお話ししますね。